ダーツとは?(歴史) フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より
ダーツは14世紀頃にイギリスで生まれたスポーツである。
当時、イギリスでは百年戦争の最中であり、酒場にたむろしていた兵士たちが、余興でワイン樽めがけて矢を放つようになったことがダーツの起こりと言われている。当時は戦争中であり、ワイン樽も貴重なものであったことから、木を輪切りにしたものを使うようになり、また矢が手投げしやすくするために短く変化していった。この木を輪切りにしたことにより、もともとあった木の年輪や乾燥によるひび割れが現在のダーツボードの得点システムの基となり、19世紀末になって現在のような得点システムが確立された。
20世紀初頭まではこのような木を輪切りにしたボードが使われていた。こうしたボードは手に入れやすい反面、水につけて矢が刺さりやすくしていたので使い込むにつれて木が傷み、不快な臭いが発生する問題があった。こうした臭いを抑えるため、1935年にイギリスのノドア社により、船舶用ロープに用いられるサイザル麻を圧縮して作られたブリッスルボードが発明された。このブリッスルボードの発明により、得点システムと、簡便なダーツボードが揃うことになる。
1980年代になって、アメリカのメダリスト社がエレクトリックダーツと呼ばれる自動計算機能を持ち、ビットと呼ばれる矢が刺さる穴があけられたプラスチック製のダーツボードを開発した。このダーツボードではそれまでの金属製ポイントと違い、プラスチック製のポイントを使うことができるようになり、それまでの金属製ポイントとブリッスルボードで行っていたダーツを大きく変えるものであった。これ以後、ダーツはソフトダーツとハードダーツに分かれていくことになる。
日本では、歴史的に長らく愛好されてきたハードダーツは根強い人気があったが競技人口が少なかった。しかし、手軽で安全なソフトダーツが登場し、さらに21世紀になってICカードを用いて個人記録を残せたり、ネットワーク対戦機能を有する機種も登場したことにより、ソフトダーツが広く普及した。競技人口が増え、大会なども頻繁に行われ、ソフトダーツのプロトーナメントも登場し、ついにはハードダーツにも注目が集まるようになってきたのである。現在、ソフトダーツからダーツを始め、ハードダーツとソフトダーツの両方嗜むプレイヤーも増えてきており、日本でのハードダーツの大会も増え始めた。また、ハードダーツの最高峰であるPDCが主催する世界大会、PDC World Darts Championshipへの日本代表を決めるPDC Challenge Tournamentにおいても、ソフトダーツのトッププレイヤーやソフトダーツ出身者が優勝者を含めて決勝トーナメントを占めるなど、ソフトダーツの選手がハードダーツの大会で上位を占めてしまう例も珍しくなくなってきている。


